怖い話

樹海の花束

暗闇に包まれた富士の樹海。 その中に佇む一人の子供がいた。彼の名は優太。彼は恐怖に震えながら、深い森を進んでいった。そこかしこは、静寂が支配しており、まるで時の流れが止まっているように感じた。そう、悠久の時の中を旅する旅人のような気持ちで・...
怖い話

雨の日のコインランドリー

雨が降りしきる夜、ひとりの女性がコインランドリーに立ち寄った。 彼女の名前は小夜。彼女は普段はおとなしく控えめな性格だったが、この夜は何かが彼女を引き寄せていたようだった。コインランドリーの扉を開けると、中は薄暗くて静まり返っていた。小夜は...
不思議な話

同級生のAちゃん

小学校に上がったばかりの女の子Rちゃんの話である。彼女は登校初日に同じ幼稚園出身のAちゃんと遊んだ。このAちゃんという女の子は確かに本来同じ小学校に入学する予定ではあったのだが、卒園直前に両親の都合で引っ越してしまい、遠方の小学校に入学した...
怖い話

夜の海に漂う存在(モノ)

E氏は子供の頃、小さなで漁村で育った。ある日、近くの海で海難事故が発生した。転覆した船に乗っていた乗組員たちを捜索するために、猟師たちはみんな漁を中断し、沖へ探しに行くことにした。結局、転覆した船は発見されず夜を迎えた・・・奇跡の生還という...
人間がもたらす怖い話

狂気は伝播する

サラリーマンD氏は、とあるワンルームマンションで一人暮らしをしていた。このマンション、全室ワンルームにも関わらず、いつも元気に遊ぶ子供たちの声が聞こえている。ワンルームマンションに子供と同居するとは、いささか無理があるように思える。ともすれ...
心霊話

本当に霊感があるのは・・・

R氏の祖父は臨終の際にこう言った。祖父『もう見えるぞ。もう見えるぞ。紙と筆を持って来い。』どうやらR氏の祖父は霊感があったらしい。祖父が他界した年、R氏は中学2年生だった。祖母が遺品整理をしているのを手伝っていると、古い写真がたくさん出てき...
不思議な話

持ち帰ってはいけなかった写真

U氏の母親の田舎はS県にあり、そちらにU氏の「はとこ」に当たる人物が居た。「はとこ」とは自分から見て、祖父母の兄弟姉妹の孫がそれである。U氏の祖父は11人兄弟で親戚の人数が多く、「はとこ」に当たる人物が大勢いるらしいのだが、それぞれ住んでい...
不思議な話

身に覚えのない発信履歴

これはK県のO線のH駅からM駅まで毎日電車通勤しているサラリーマンW氏の身に起こった奇妙な出来事である。普段は満員電車のため、座ることなど出来ないのだが、この日は偶然、席が空いており座ってM駅まで乗車することができたのだが。連日の疲れもあり...
人間がもたらす怖い話

異臭の漂うクラスメイトの家

いつも遊んでいる悪ガキグループの中で、ちょっとした喧嘩をして孤立してしまった小学生T君の話である。ある日の放課後、T君が一人で本屋で立ち読みをしていると、同じクラスの全然目立たない男子P君が、同じく立ち読みしていることに気付いた。T君は彼に...
不思議な話

忘れ去られた神

これはC氏の兄の娘、C氏からみて姪に当たる人物の話だ。彼女は10代の頃から片腕の痙攣がひどかった。端から見ていても心配な程、常にカタカタカタカタと震えている。兄の話によると、あちこちの病院を回ってたみたのだが、20歳を過ぎても治る兆しはなか...
占い・金運アップの話

モラハラ男から救った守護神

H子氏がモラハラ男と交際していた時のことである。念のため、「モラハラ」について説明しておこう。「モラハラ」とは「モラルハラスメント」の略であり、肉体的な暴力ではなく、言葉や態度等によって行われる精神的な暴力のことである。モラハラを日常的に受...
人ならざるモノの話

空白の十年間

戦後しばらく経った頃、地方のとある農村での話。村で一番の旧家の跡取り息子が失踪した。山狩りをしても、池を浚っても見つからない。金か女のトラブルかと思い、人を雇って調べさせたが全く手掛かりがない。失踪からひと月が経とうとした頃、夜中に屋敷の床...
心霊話

大好きなラーメン屋のおじちゃん

G氏の母親の友人に古くから親交のあるラーメン屋の店主が居た。彼はI県のとある場所にて店舗を構え、それを営んでいた。建物は年季が入っており、老朽化が進んでいる。G氏が幼少の頃、母親に連れられて、よくそのラーメン屋を訪れていた。というのも母親は...
不思議な話

中庭の小屋から出てくる女の子

これは心霊体験などしたこともない男の子Rの話である。彼の母親の生家はF県のとある村にあった。学校の夏休みと冬休みには母親の帰省についていくのが、毎年の慣例となっていた。母親の生家は元々、旅館業を営んでいたのだが、この頃には既に廃業していた。...
怖い話

相次ぐ飛び降り自殺

とある県の高校は有名な進学校なのだが、2年に1人は飛び降り自殺者が出る学校だった。この学校で長く勤務する古株の老教師が言うには、『イジメ等が原因ではなく、 「ただ生きてる意味が分からなくなった」 と言って飛び降りる者が多い』のだそうだ。他の...
心霊話

刻み込まれた恐怖心

アパートで一人暮らしをすることになった大学生Jの話である。このアパートというは、太陽の光が差し込む日当たりの良い2階の部屋と、駐車場に近い1階の部屋が空室であった。Jは駐車場が近い1階の部屋を選択した。管理人に『本当にここでいいの?上(2階...
人間がもたらす怖い話

精神疾患の彼女

大学のサークルにTとM美というカップルがいた。M美は小柄で可愛らしい顔をしている。だが、いつも顔を隠すように髪を垂らしており、服装も地味で、情緒不安定だと感じさせられる言動を頻繁にとっていた。というのも実は彼女、精神疾患が原因でメンタルクリ...
心霊話

異常のないエレベータ

とある女性A子氏が出産のため、最寄りの病院に入院していた。これは子供を出産し終えた数日後のことである。A子氏は深夜に自身の赤ん坊が、鼻詰まりが原因で妙な呼吸をしていていることに気付いた。心配に思った彼女は我が子を抱きかかえ、1フロア下のナー...
心霊話

卓球部のエース

卓球部員のHという中学生がいる。彼の卓球の腕はお世辞にも上手とは言えない。また、上達しようという向上心も彼にはなかった。一応、部活には顔を出すものの、卓球部の落ちこぼれ達と遊んでるだけ・・・練習にもほとんど取り組んではいなかった。時間を持て...
人間がもたらす怖い話

中華料理店のお土産

F氏はある日の夕食を、近所の中華料理店でラーメンを食べて済ませた。F氏『すみませーん。お会計お願いします。』店主『いや、いらないよ・・・』F氏『えっ・・・!?』店主『今日でお店終わりなんだ。あんたが最後のお客さん・・・』店主『今まで贔屓にし...
心霊話

護りをオロシタ

K氏は度々、金縛りや怪奇現象に遭遇していた。ある日の晩、K氏がベッドに入り、就寝前の読書をしていた時のことだ。突然身体が得体のしれない強力な力で引っ張られ、ベッドから引き摺り降ろされ、そのままドアの近くまで引き寄せられた!怯えながらも足元を...
その他

研究室に飛来する巨大な蚊

もし、自分がこんな環境にいたら・・・と想像しつつ読み進めて頂きたい。生物学を専攻する一人の大学院生I氏がいる。彼の所属する研究室がある棟には、毎年、季節外れの蚊が飛来する。もう11月も終わろうかという頃、この大学院が建っている地域では、かな...
人ならざるモノの話

ヤマノケ「テンソウメツ」

これは東北地方のM県とY県の県境にあるT峠にて、ある父娘が体験した話である。冬のある休日のこと。親子水入らずで、ドライブを楽しむ父と娘がいた。ごく普通の山道を軽快に走り、途中のドライブインで昼食を取った。ドライブインを出発した車は、目的地を...
不思議な話

老看護婦の忠告

これは昭和初期の頃の話。ある女性S氏は癌で入院している父親の看病のため、日々、せっせと病院へ通い詰めていた。入院先の病院というのは、自宅から程遠い田舎の古い市立病院で、死を間近にした老人達が多く入院していた。姥捨て山よろしく、毎日、間引かれ...
その他

【絶対にやってはいけない!】異世界の扉を開く方法

以下に記述することは、あくまで都市伝説である。しかし、これを読んで実践し、万が一、異世界の扉を開いてしまっても、私は一切の責任を取ることはできない。『絶対にやってはいけない。』とだけ言っておく。また、周囲の人間や関係者などに、迷惑を掛ける行...