暗闇に包まれた富士の樹海。
その中に佇む一人の子供がいた。彼の名は優太。
彼は恐怖に震えながら、深い森を進んでいった。
そこかしこは、静寂が支配しており、まるで時の流れが止まっているように感じた。
そう、悠久の時の中を旅する旅人のような気持ちで・・・
すると突然、彼の前に立ちはだかる大男が現れた!!
大男の目は血走り、口は歪んでいた。
優太は絶望の淵に立たされたかのような恐怖を感じたが、勇気を振り絞り、逃げようとした。
だがしかし、大男は彼を追いかけ、凶暴な笑みを浮かべて近づいてくる!
優太の足はもはや重く、身体は疲れ果てていた。
彼は逃げる術を見つけられず、絶望が心を覆い尽くした・・・
その時、突如として優太の目前に花束が現れた。
花束は不気味な光を放ちながら彼のほうに近寄ってくる。
彼は花束を手に取ると、不思議な安心感に包み込まれた。
すると、花束の中から何かが現れた。
それは死んだはずの祖母の亡霊だった。
亡霊は大男に向かって手を伸ばし、恐ろしい声で叫び始めた!!
『あぐうぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!』
大男は恐怖に震え、優太を見ることもなく樹海の奥へと逃げ去って行った。
彼は安堵のため息をつき、亡霊に感謝の気持ちを捧げた。
この樹海には未知の力が宿っている。
それは時に助けとなり、時に恐怖となる。
優太はその不思議な力を目の当たりにし、深い謎に包まれた富士の樹海を胸に秘めたまま、帰路についたのであった。