もし、自分がこんな環境にいたら・・・
と想像しつつ読み進めて頂きたい。
生物学を専攻する一人の大学院生I氏がいる。
彼の所属する研究室がある棟には、
毎年、季節外れの蚊が飛来する。
もう11月も終わろうかという頃、
この大学院が建っている地域では、
かなり冷え込む。
研究棟には、ほぼ24時間、
誰かが詰めている。
そのため、棟内は暖房が常時効いており、
温かい状態が保たれている。
そのため、
季節外れの蚊が飛んでくるのだろうと考えられていた。
だが、この蚊というのは非常に巨大なのだ!
やがて、大学院生達の間で、
「実は生物系の研究室で遺伝子操作された蚊だ」
「あの蚊に刺された後、頭がおかしくなった人もいる」
という噂まで流れ始めた。
I氏が夜遅くまで研究室に残り、
資料をまとめていると、
何処からともなくあの忌まわしい音が聞こえてきた・・・・
ブーーーーン・・・ブーーーーーン・・・・
あの噂の真偽は定かではなかったが、
「刺されてはマズイ!」
と思ったI氏は、必死で本体を見極めようと、
音のする方を探す。
すると、一瞬目を疑った・・・
そこには体調2cmはあろうかという、
緑色の蚊が優雅に飛んでいたのだった・・・