持ち帰ってはいけなかった写真

持ち帰ってはいけなかった写真

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U氏の母親の田舎はS県にあり、

そちらにU氏の「はとこ」に当たる人物が居た。

「はとこ」とは自分から見て、

祖父母の兄弟姉妹の孫がそれである。

U氏の祖父は11人兄弟で親戚の人数が多く、

「はとこ」に当たる人物が大勢いるらしいのだが、

それぞれ住んでいる場所が各地方に散らばっているということもあり、

実際に会ったことのある「はとこ」は精々1人か2人程度だった。

その大勢いる「はとこ」の中で、

U氏と歳が近い人物に一人、

彼と顔が瓜二つの男の子がいた。

実際、U氏はその人物と面識はないのだが、

彼の母親曰く、

毎度親戚連中がU氏と「はとこ」を見分けるのに一苦労するのだという。

祖母に至っては「はとこ」をU氏だと勘違いして、

長い期間、U氏の名前で彼を呼び続けていたそうだ。

ある時、「はとこ」が祖父の家を訪れた際、

居間に飾ってあるU氏の写真を見て、

『どうして僕の写真がここに飾ってあるの?』と質問したそうだ。

これに対して祖父は、

『それは君の「はとこ」だよ』と答えると、

彼は面白がって、U氏の写真を自宅に持ち帰ってしまった。

その数日後のこと。

「はとこ」の母親が用事で学校に出向いた際、

帰宅時間が下校時刻を過ぎてしまったものだから、

先に帰宅した息子が心配してはいけないと思い、

自宅に電話を掛けた。

すると「はとこ」が電話に出たので、

学校の用事で遅くなる旨を伝えて電話を切った。

母親が学校での用事を終え帰宅すると、

自宅の前の通りに、人だかりが出来ていた。

何事かと思い、彼女は人だかりを搔き分けて、

中心を覗いてみた。

母親『ぎゃあああああああああ!!!』

そこにはランドセルを背負ったまま、

全身血まみれで路上に倒れている息子がいた・・・

彼女は自身の息子であったものを抱きかかえ、

喉が張り裂けるほどの悲鳴を上げた。

後程、警察から聞かされた内容によると、

息子は車にはねられ、即死だったそうだ。

また、事故発生直前まで「はとこ」と一緒に自宅にいた兄によると、

母親からの電話を切った直後、

彼は母親を迎えに行こうとしたのだそうだ。

だが、一度兄はこの行為を止めたのだが、

目を離した隙に出掛けてしまい、

あの事故に遭遇してしまったとのこと。

「この世には自分に似た人間が3人は居る」

という話はよく聞く。

それは「ドッペルゲンガー」と表現されることもあり、

これに遭遇してしまうと、

近い未来に命を落とすとされている。

あの日、「はとこ」が祖父の家からU氏の写真を持ち帰ってしまった行為は、

彼が命を落としたことと、

何か関係があるだろうか。