身に覚えのない発信履歴

身に覚えのない発信履歴

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これはK県のO線のH駅からM駅まで毎日電車通勤している

サラリーマンW氏の身に起こった奇妙な出来事である。

普段は満員電車のため、

座ることなど出来ないのだが、

この日は偶然、席が空いており座ってM駅まで乗車することができたのだが。

連日の疲れもあり、W氏は着席と同時に眠りに落ちてしまった。

どれ程の時間、眠りこけっていたのだろうか。

ふと気が付くと、金縛りにあっていた。

W氏「おいおい、座りながらの金縛りなんて聞いたことないな。」

彼はこの時、意外に冷静で、

「すぐに戻るだろう」と高をくくっていた。

やがて降車駅であるM駅に近づいてくるのがわかったのだが、

一向に金縛りが解けない。

そうこうしているうちに、電車はM駅を通過してしまった。

W氏「まずい!会社遅刻する!」

頭の中では非常に焦ってるいるのだが、

体は全く動かず声すら出すことが出来なかった。

目だけは動かすことができたので、

何とか他の乗客に訴えかけようとして、

目をギョロギョロさせたが、誰も気付いてくれる気配はない。

その時、一人のOLと思しき女性と目が合った!

だが、彼女は怪しい人物と目が合ったかのように、

すぐに視線を逸らしてしまった。

W氏「た、頼む!誰か助けてくれ!会社に遅れちまう!」

この非常事態に、

まだ会社の心配をしているなど滑稽に思えてはくるが・・・

頭の中でもがいているうちに、

強い睡魔に襲われ、再び眠りに落ちてしまった。

車掌『お客さん、お客さん、終点です。』

車掌に肩を叩かれ、

終点のS駅でようやっと金縛りが解けた。

W氏『まずい!会社に電話しなきゃ!』

一旦、下車して携帯電話を取り出し確認すると、

上司から物凄い数の不在着信があった。

W氏『ああ~。相当怒ってんだろうなあ~。』

そう独り言を言いながら、発信ボタンを押す。

W氏『あっ!もしも・・・』

上司『W君か!?大丈夫なのか!?何があった!?』

真っ先に意味不明な心配をされた。

事の詳細はこうだ。

今から約20分程前に、

W氏の電話番号で上司の携帯電話に着信があり、

出ると息苦しそうな男の声が聞こえてきた。

電話は途中で切れ、それが数回繰り返されたのだという。

20分程前というのは金縛りにあい、

電車の中でもがいていた頃だ。

一旦電話を切り、自身の携帯電話の発信履歴を見ると、

確かに上司に7回電話を掛けた記録が残っていたのだそうだ。