人ならざるモノの話 空白の十年間 戦後しばらく経った頃、地方のとある農村での話。村で一番の旧家の跡取り息子が失踪した。山狩りをしても、池を浚っても見つからない。金か女のトラブルかと思い、人を雇って調べさせたが全く手掛かりがない。失踪からひと月が経とうとした頃、夜中に屋敷の床... 2018.09.17 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 ヤマノケ「テンソウメツ」 これは東北地方のM県とY県の県境にあるT峠にて、ある父娘が体験した話である。冬のある休日のこと。親子水入らずで、ドライブを楽しむ父と娘がいた。ごく普通の山道を軽快に走り、途中のドライブインで昼食を取った。ドライブインを出発した車は、目的地を... 2018.07.29 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 姦姦蛇螺(カンカンダラ)の呪い とある地方の田舎の村に、素行の悪いの3人「A・B・C」がいた。AとBはあまりの素行の悪さ故、両親からは完全に見放されていた。しかし、Cだけは違った。Cは彼の母親から、それなりに愛情を注いでもらっていたのだ。と言っても、かなり厳格な態度ではあ... 2018.07.26 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 奇妙な看板「巨頭オ」 男はふとある村の事を思い出した。一人で旅行した時に訪れた小さな旅館のある村。心のこもったもてなしが印象的で、なぜか急に行きたくなった。連休に一人で車を走らせる。あの村へ向かうためだ。記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。村に近付く... 2018.06.12 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 フナを食う男 小学生のJ君が川と古墳の堀を繋いでいる細い用水路にて、一人でフナ釣りをしていた時のことだ。その日は午後3時頃に釣り始めた。いつになくたくさん釣れたため、面白くてやめられなくなってしまった。次第に夕日が傾き、辺りが薄暗くなってきた。日照時間が... 2018.06.05 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 白い人 I氏の父方の祖父は出雲地方の神主の家系だ。そのことが原因か定かではないが、子供の頃はよく「白い人」が見えていたという。毎年初詣に行くと、不思議に思っていたことがあった。それは参拝者が全員、本殿にお参りするということ。普通の感覚ではあり得ない... 2018.06.04 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 太平洋戦争に介入してきたモノ これは現在介護老人ホームに入所している、とある老人D氏が太平洋戦争時に体験した話である。D氏は当時、日本海軍の航空隊に所属しており夜間攻撃機の操縦士の任務に就いていた。彼が乗り組んでいた機体の名称は「月光」という夜間攻撃機だったという。夜間... 2018.05.31 人ならざるモノの話
人ならざるモノの話 九尾の狐の復讐 これはA氏を含む、とある集団が人家から相当離れた山中でサバイバルゲームに興じていたときの出来事である。その晩は月明かりがとても明るい、スナイパー好みの夜だった。ゲームを数戦終え、小さな空き地で小休止してると、そこら辺でよく見かける中型犬が現... 2018.05.30 人ならざるモノの話