ある日曜日、幼稚園児の男の子が自宅で昼寝をしていた。
ふと目が覚めると、両親がいない。
家中を探し回ったのだが、やはり何処にもいない。
不安と恐怖から泣きながら母親を呼んだ。
男の子『おかあさーーん!!』
男の子『どこーーー!?』
男の子『うわーーーーん!!』
探せど探せど全く見つけられなかったため、
やがて、諦めて居間で泣きながら座り込んでしまった。
すると、庭を女が歩いているのが窓から見えた。
白い服を着ており、顔は真っ白。
目も鼻も口も無いように見えたが、
髪の長さが母親と同じくらいであったため、
それが母親だと思った。
女が通り過ぎ、窓枠から見えなくなった後、
すぐに窓を開けて、叫んだ。
男の子『お母さん!』
しかし、庭には誰もいなかった。
庭に出て探してみたものの、
やはり誰もいない。
男の子の家の庭というは然程広いわけではなく、
大の大人が隠れる場所などない。
それから数日後、男の子は全く同じ状況で、
例の女を目撃することになる。
そのことを姉に話すと、
姉『わたしも、庭で変な女の人見たよ!』
と言った。
二人で話を照らし合わせてみると、
「女は、必ず庭を西に向かって歩いていく。」
という共通点があったのだという。