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樹海の花束

暗闇に包まれた富士の樹海。 その中に佇む一人の子供がいた。彼の名は優太。彼は恐怖に震えながら、深い森を進んでいった。そこかしこは、静寂が支配しており、まるで時の流れが止まっているように感じた。そう、悠久の時の中を旅する旅人のような気持ちで・...
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雨の日のコインランドリー

雨が降りしきる夜、ひとりの女性がコインランドリーに立ち寄った。 彼女の名前は小夜。彼女は普段はおとなしく控えめな性格だったが、この夜は何かが彼女を引き寄せていたようだった。コインランドリーの扉を開けると、中は薄暗くて静まり返っていた。小夜は...
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夜の海に漂う存在(モノ)

E氏は子供の頃、小さなで漁村で育った。ある日、近くの海で海難事故が発生した。転覆した船に乗っていた乗組員たちを捜索するために、猟師たちはみんな漁を中断し、沖へ探しに行くことにした。結局、転覆した船は発見されず夜を迎えた・・・奇跡の生還という...
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相次ぐ飛び降り自殺

とある県の高校は有名な進学校なのだが、2年に1人は飛び降り自殺者が出る学校だった。この学校で長く勤務する古株の老教師が言うには、『イジメ等が原因ではなく、 「ただ生きてる意味が分からなくなった」 と言って飛び降りる者が多い』のだそうだ。他の...
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トンネル入り口に立つ黄色い人影

W氏を含めたバイク仲間の3人が、ゴールデンウィークの休暇を利用して、ツーリングでY県T村に行った帰りのことである。W氏はS県在住の男性。Y県から帰るにはS湖付近を経由することになる。S湖に続く国道には、幾つかトンネルが存在する。夜の10時頃...
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大西洋で漂流した5人の壮絶なる運命

これからは夏本番。読者の諸君も海で遊ぶ際には十分注意されたし。これは5人の男女の身に降りかかった、壮絶なる運命の5日間の一部始終である。まず最初に登場人物を紹介しておこう。登場人物・航海士    :ルーシー・航海士助手  :レオン・日雇い航...
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地獄に堕ちました

とある病院に余命3ヶ月の女の子が入院していた。ある日、女の子の友達が2人お見舞いに来てくれた。女の子の母親は『記念に写真』を撮ろうと提案した。勿論、娘には余命3ヶ月であるということは知らせていない。母親は自分の娘を真ん中にして、3人をフレー...
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湯船の横にあるドア

5歳の男の子F君の自宅には、風呂が無く、よく父親と銭湯に通っていた。ある日のこと。身体を洗い終え、することがなく暇を持て余していたF君は、湯船の中でプールよろしく遊んでいた。遊んでいると、湯船の横に階段があり、その先にはドアがあることに気づ...
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雨合羽を着た中年女

「大無間から光へ。」これが理解できる人間は山好きの証拠である。これはどういうことを意味するのかというと、静岡県中北部、赤石山脈最南部の光(てかり)岳から、南東にのびる山陵に位置する山の名称が大無間山である。つまり、大無間山→光(てかり)岳ル...
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少し変わった趣味

D氏は少し変わった趣味を持っていた。その趣味というのは、夜中になると自宅の屋上に上がって、そこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察するというもの。いつもとは違う静まり返った街を観察するのが楽しかった。遠くに見える大きな給水タンクであったり、...
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裏山でのキノコ採り

W氏の住まいは田舎なもので、キノコが生えるシーズンになると、よく自宅の裏山に採りに行くのが習慣だった。彼が小学生の頃は、祖父と二人で裏山に登り、キノコが豊富に採れる場所を教えてもらっていた。しかし、中学生にもなると一人で登るようになり、時に...
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滝の上の釣り人

3人の男A・B・Cが沢登りに行った時に、彼らの身に降りかかった話である。沢登りというのは登山の一形態で、技術的にはロッククライミングに属するのだが、主に水の流れる沢や滝を渓流の景色などを楽しみながら登る遊びである。彼らが沢を登っていると、高...
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いとうあさこ氏が無人島で体験した恐怖話

7、8年くらい前になるんですけど、番組の企画で半年間ほど無人島で生活するというのがあったんです。無人島に到着してから2、3ヶ月が過ぎた頃、食料が無くなって、皆その辺に生えている草を食べたりしてて・・・もう全員が鬱々として「早く島から出たい」...
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本家に伝わる錆びた槍

S氏の実家は岩手県の由緒正しい親戚縁者を統括する本家の家系だ。この本家というのは三百年程の歴史があり、代々その土地を治める権力を持っていた。屋敷も長年の経年劣化による老朽化は見られるものの、大層立派な造りである。田舎ということもあり、非常に...
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奇妙な神輿の一団

地元民の間で、決して登ってはいけないとされる山がある。ある日、高校生が数人連れ立って、興味本位でその山に登った。うっそうと茂った林の中を細い山道を辿って、山頂を目指していると、山頂の方からお神輿を担いでいるような声が聞こえてきた。『わっしょ...
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使ってはいけない部屋

T氏は中学生の頃、田舎に住んでおり、彼の家には幼少の頃から、「絶対入るな」と言われていた部屋があった。入るなと言われれば、逆に入りたくなるのが人間の心理で、ある日こっそり入ってみることにした。何て事は無い、普通の部屋だった。変な雰囲気もない...
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両面宿儺(リョウメンスクナ)の呪い

かつて建築関係の職に就いていた時、O氏という男性が体験した話である。この日、O氏は岩手県のとある古い利用者がなくなったお寺を解体する作業に取り組んでいた。作業の途中、O氏の同僚が彼を呼ぶ。同僚『おーい!ちょっと来てくれー!』同僚のもとに向か...
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おかしくなった兄

Aの兄の様子がおかしくなった。交際相手との一泊旅行から帰ってきたAの兄の様子が、どうにもおかしい・・・ずっと部屋に閉じ籠り、食事にも顔を出さない。厳格な両親を持つ彼女との初めての旅行ということもあって、旅行前はかなりウキウキしていたのだが・...
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真夜中の郵便物

これは「かんひも」に関わったことにより、霊感に目覚めてしまった高校生G君の話である。霊感に目覚めたことがきっかけで友人達から、心霊現象に関する相談を受けるようになってしまった。霊感といっても、ただ見えるだけで、本当に話を聞くだけ。除霊や浄霊...
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呪いの腕輪「かんひも」

G氏が小学三年生の夏休みに、母親の実家へ1週間の滞在予定で遊びに行った時のことである。母親の実家というのは山奥にあり、山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒あるばかり。交通に関しては、村営のバスが朝と夕方の2回しか通らないような田舎だ。そんな何...
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髪寄りの法

これは老人S氏が子供の頃、山深い村落で暮らしていた時のことである。村人のほとんどが林業を営んでおり、山は彼らの親と同じであった。そんな村にも地主が存在しており、村の外れにある大きな屋敷に住んでいた。地主は林業を営むわけでもなく、毎日をのんび...
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父が拾ってきた人形

これはR氏という女性が小学生の頃に体験した話である。R氏の父親はとにかく貧乏性で、何かにつけて『もったいない』と家に持ち帰ってきた。家族全員はそんな父親に呆れていたが、『恥ずかしいからやめて』と言ってもやめるような性格ではないのを知っていた...
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絶対演奏してはいけない曲

これはH氏とその友人G氏・Y氏の身に起こった恐怖体験談である。  ある日、彼ら三人が集まって談笑していた時のことである。友人G氏というのは音楽活動をしていてる青年だ。彼は先日、とある音楽関係の先輩から「絶対演奏してはいけないという曲」の譜面...
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修学旅行での恐怖体験

これはある中学生A君が修学旅行で京都へ行った時に体験した話である。宿泊先の旅館で夕食と入浴を済ませ、就寝時間までの自由時間を楽しんでた時だった。A君は右隣の部屋に仲の良いクラスメイトがいるので遊びに行った。彼らは定番のトランプやウノなどを一...