姦姦蛇螺(カンカンダラ)の呪い | ページ 5

姦姦蛇螺(カンカンダラ)の呪い

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3人は急停止し、息を呑んで人影を確認した。

誰だかわからないが何人かが集まっているようだ。

C『アイツじゃない・・・』

そう確認できた途端に再び走り出し、

その人間達の中に飛び込んだ。

?『おい!出てきたぞ!』

?『まさか…本当にあの柵の先に行ってたのか!?』

?『おーい!急いで奥さんに知らせろ!』

集まっていた人達はざわざわとした様子で、

3人に駆け寄って来て、声を掛けた。

だが、3人とも頭が真っ白で放心状態であったため、

何と話し掛けられているのか、

すぐには理解できなかった。

少し落ち着いたところで、3人は車に乗せられた。

この時、すでに時刻は夜中の3時を回っていた。

3人を乗せた車が向かった先は、

村の行事等の機会に使用される集会所だった。

大人に促され、集会所内に入ると、

Aの母親と姉、Bの父親、Cの母親がそこには居た。

A・Cの母親は号泣しており、

Bの父親も普段は見せないような表情で息子を見つめていた。

Cの母親『みんな無事だったんだ!よかった!』

Aは無言で母親に殴られ、

Bもまた父親から同様の叱りを受けた。

と同時に、両名は息子達に、

とても暖かい言葉を掛けた。

しばらく経つと、Cの母親が話し始めた。

Cの母親『みなさん、ごめんなさい・・・』

Cの母親『今回の事はうちの主人、延いては私の責任です。』

Cの母親『本当に申し訳ありませんでした!本当に・・・』

と何度も何度もそれぞれの家族に対して、

深々と頭を下げ、陳謝した。

Bの父親『もういいだろう奥さん。こうしてみんな無事だったんだから。』

Aの母親『そうよ。あなたのせいじゃないわ。』

その後、親達が相談している間、

3人は大人しく座って待っていた。

やがて、親達の相談は終わり、

それぞれの自宅へと帰って行った。

翌日の昼頃、Aは姉に叩き起こされた。

寝ぼけ眼でもはっきりと分かる程、

姉の表情は強ばっている。

A『なんだよ?姉貴』

Aの姉『Cのお母さんから電話。ヤバい事になってるよ。』

受話器を受け取り電話を代わると、

Cの母親は凄い剣幕で叫んできた。

Cの母親『Cが・・・Cがおかしいのよ!』

Cの母親『昨夜あそこで何したの!?』

Cの母親『柵の先へ行っただけじゃなかったの!?』

とても会話になるような雰囲気ではなく、

一旦、電話を切り、AはCの自宅へと急いだ。

到着すると、

同様の電話を受けたBも来ていた。

Cの母親の話によると、

Cは昨夜自宅に帰ってから、

急に両手両足が痛いと叫び出した。

両手両足をピン!っと伸ばした状態で倒れ、

その体勢で『痛い!痛い!』と、

のたうち回ったのだそうだ。

母親が『どう痛いのか?』と問い掛けるも、

ただただ『痛い!痛い!』と叫ぶばかりで、

埒が明かなかったとのこと。

何とかCの部屋までは運んだのだが、

ずっとその状態が続いており、

残りの2人はどういう状態になっているのか確認したかったため、

電話を掛けたのだと言う。

話を聞いた2人はすぐさまCの部屋へと向かった。

階段を登っている時点で既に、

Cの叫び声が聞こえた。

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『痛ぇ!痛ぇよぉ!』

と繰り返している。

部屋に入ると、母親の言う通り、

Cは手足をピン!っと伸ばした状態で、

のたうち回っていた。

A『おい!どうした!?』

B『しっかりしろ!どうしたんだよ!?』

2人が散々呼び掛けても、

ただただ叫ぶだけで目線さえも合わせない。

A『どうなってんだ・・・』

一体全体、何がどうなっているのか、

さっぱりわからなかった。

しばらく、茫然とCの様子を眺めていると、

Cの母親が下りてくるように言った。

A『と、取り敢えず、一旦おばちゃんのとこに行くか?』

B『ああ・・・』

一階へ下りて行くと、

先程とは打って変わって、

Cの母親は静かな口調で昨夜のことを聞いてきた。

Cの母親『あなた達、昨夜あそこで何をしたのか話してちょうだい。』

Cの母親『それで全部わかるの。昨夜あそこで何をしたの?』

2人は彼女が何を聞きたがっているのか、

勿論わかっていた。

しかし、昨夜のことを説明するに当たっては、

あの恐怖体験の記憶を呼び起こさなくてはならない。

2人にとってはそれが苦痛で仕方なかった。

が、話さないわけにはいかなかった。

彼らにはその義務がある。

説明しているうちに、

だんだんと彼女の真意が見えてきた。

「何を見たか」でなく「何をしたのか」

これを聞きたがっているようだった。

あーでもないこーでもないと、

順を追って話しているうちに、

2人はあることに気付いた。

「AとBがやっていなくて、Cだけがやったこと」

それはたった一つだけだった。

あの楊枝のような物だ。

Cはあれに触れ、且つ元あった配列を崩したのだ。

それをCの母親に伝えた。

すると、彼女の表情はみるみる変わり、震えだした。

そして、すぐさま棚の引き出しから何かの紙を取り出し、

それを見ながら、どこかに電話を掛ける。

その様子を2人はただ呆然と見つめている。

電話を切ると、震える声で2人に言った。

Cの母親『あちらに伺う形なら、すぐにお会いしてくださるそうだから、今すぐ帰って用意しておいてちょうだい。』

Cの母親『あなた達のご両親には私から話しておくわ。』

Cの母親『何も説明しなくても準備してくれると思うから。』

Cの母親『明後日またうちに来てちょうだい。』

2人にとっては意味不明だった。

この時にはまだ・・・

「誰に会いにどこへ行く」のか尋ねても、

彼女は、はぐらかすだけで、

すぐに帰宅するよう、促すばかりだった。

Aが帰宅すると母親は開口一番、

『必ず行ってきなさい!』と強く言った。

続く