一番最初に異変気付いたのは、Yさん。
Yさん『来た!!』
震えながらYさんは自分のベッドに潜り込む。
カッ、コッ、カッ、コッ・・・・カッ、コッ、カッ、コッ・・・・
足音が聞こえたと同時にG君の背中に、冷たい電流が走る。
言葉では到底言い表すことができない、物凄く嫌な感じ。
カッ、コッ、カッ!
足音が部屋の前で止まった。
この時、G君は重大なあることに気がついた。
なんと間抜けなことか!
一番肝心なポストのフタにお札を貼るのを失念していた。
かといって、今から貼りに行く勇気もない・・・
何が投函されるのかと、G君とJ君はポストを凝視する。
コンコン、コンコン!
しかし意表をついて、ドアがノックされた。
?『K○さ~ん、郵便で~す』
ドアの向こうからは生気の無い無機質な男の声がした。
?『K○さ~ん、郵便ですよ~』
ノックと、さらに声は続く。
二人は声を潜めて様子を伺う。
しばらくノックと声が続いた後、ふっと音が止んだ。
カッ、コッ、カッ、コッ・・・・
次の瞬間、足音が再び鳴り始め、
そしてそのまま遠ざかっていき、消えていった。
ホツとして、二人はその場にへたり込んだ。
布団に潜っていたYさんも顔を出し、安堵して泣きじゃくっている。
G君『ふう・・・・』
ため息をつくと、立ち上がりながら、
見るとはなく視線をドアの方へ向けた。
・・・!
G君はあまりの驚きと恐怖に腰を抜かしてしまった。
彼のただならぬ様子にJ君とYさんもドアの方を見る。
ドアのポスト。
投函口が開けられ、ギラギラした二つの目がこちらを睨みつけている!
?『なんだ・・・いるじゃないかよぉ~』
先程とは打って変わって、野太いしゃがれた声が部屋の中に向かって放たれた。
ガンガンガン!ガンガンガン!
激しく、ドアを殴りつける音!
ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!
ドアノブがもげてしまいそうな勢いで激しく上下する。
同時に、部屋中の窓という窓がガタガタと音を立てて震え出した!
Yさん『きゃああーーーーー!!』
Yさんは悲鳴を上げると、気を失ってしまった。
二人は彼女を守るようにYさんの上に覆い被さったまま何もできずにいる。
どのくらいの時間が経っただろうか・・・
気が付くと太陽が昇っていた。
音も止んでいる。
G君・J君『・・・・Yさん!』
二人は慌ててYさんを確認した。
彼女は気を失っているだけで、命に別状はなさそうだ。
あれほどの騒ぎにも関わらず、1階の大家も、
隣の部屋の住人も、全く夜中の出来事に気付いていなかった。
Yさんはその後、アパートを引き払い、別の場所に引っ越した。
その後は彼女の身の周りで特に何も起こっていないそうである。
何故あのような事態を引き起こしたのか、
後日、G君はYさんより原因になったと思われる内容の話を聞かされた。
どうやら彼らが通う学校では妙なおまじないが流行っていたのだという。
ある場所に設置されているポストに、深夜午前2時49分、
ハガキに憎い相手の名前を書いて、縁を黒く塗り、投函すると。
その相手に災難が降りかかるというもの。
実はYさんはそのおまじないをやってしまったようだった。
相手はYさんが思いを寄せている先輩の交際相手・・・
真相を知らされたG氏は、あんな屈託のない明るいYさんが、
そのようなことに手を染めていたことに驚愕したと語る。
『一番怖いのは人間の心だな』と・・・

