修学旅行での恐怖体験

怖い話

興ざめしてしまったクラスメイト達は就寝時間も近かったため、それぞれ各自の部屋に戻っていった。

A君は隣の部屋、B君は先程まで遊んでいたあの人形のあった天井裏の真下の部屋だ。

すぐに消灯時間は過ぎ、先生達が見回って部屋の電気を消させた。

 

部屋の入口のドアは少し開けられていて廊下の明かりが差し込む。

おそらく深夜遅くまで起きて話している生徒がいれば、発見しやすくしていたのだろう。

先生達が廊下をパタッパタッと行ったり来たりする足音が聞こえる。

廊下の明かりと先生達が見守ってくれているという安心感からか、先程の人形の出来事を忘れてすんなり眠りにつけそうだ。

 

パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ・・・パタッ。

 

先生の足音を聞いているうちにうつら、うつらし始めてA君は深い眠りについた。

眠りに落ちてどれくらい時間がたったのだろうか。

 

ドンッ!

 

と地響きのような音でハッと目が覚めた。

夢かと思い、ドキドキしながら2回目の音が聞こえるのを息を殺して待っていた。

おそらく同室のクラスメイトもそうだったに違いない。

するとすぐに

 

ドンッ!ドンッ!

 

と1回目と同じくらいの大きな音が部屋中に鳴り響いた。

それと同時に叫び声が聞こえる。

「ドンッ!」という音と叫び声は、どうやら「あの」隣の部屋からのようだ。

廊下からS先生の『どうしたっ!』という大声とB君の叫び声のような声が聞こえてくる。

A君達はあわてて部屋を飛び出し、B君のいる隣の部屋に駆け込んだ。

部屋の中はすごい光景だった・・・

 

B君が目を血走らせ、壁に向かって鬼の形相で手足を振り回していた!

 

まるで壁から出てくる何かに必死で抵抗しているかのように見えた。

 

B君『やめろぉぉーー!来るなぁ!!来るなぁ!!』

S先生『おいっB!しっかりしろ!』

B君『手が!手が!手が!壁から手がぁぁーーーーーっ!』

 

すぐに他の先生達が駆けつけ、B君を取り押さえた。

B君は押さえつけられながらも、叫び続け必死で何かに抵抗していた。

それを見ていたA君達も恐怖を覚えるほど、B君は暴れ叫んでいた。

 

S先生『おいっ!誰か救急車を呼べっ!』

 

誰が救急車を呼んだのかわからなかったが、すぐに救急隊員がタンカーを持って入ってきた。

タンカーにのせられ、ベルトで縛られてもなおB君は暴れ続け、失禁までする始末だった。

そのまま救急車へ運ばれて行くB君をただただ呆然と立ちすくみ、見送った。

 

S先生『さーもう全員寝るんだ!あいつは悪い夢でも見たんだろう・・・』

 

と、部屋から生徒を追い出し、各自部屋に戻って寝るように指示した。

もちろん、あんな光景を見てしまったからには安心して寝れるわけが無い。

A君達は部屋に戻って、皆が落ち着きを取り戻した頃にS先生を呼び出した。

そして、B君が天井裏から人形、御札、本を見つけて取り出し、

クラスメイトに向かって投げつけて遊んでいたことを報告した。

 

S先生『そんな事は関係ない。あいつは夢遊病か何かなんだろう。お前たちは気にしないで寝ろ。』

S先生『一応、旅館の人にはその天井裏の人形の話はしておいてやるから。』

 

と言って、すぐに部屋を出て行ってしまった。

恐怖心が冷めやらぬまま、しかたなくA君は布団に入った。

怖くて壁や天井は見れず、ガタガタと震えながら布団をかぶって朝を待った。

 

心地のいい太陽が昇り、翌朝を迎えた。

しかし、B君の姿はない。

朝食後、部屋を出る準備をしている時にA君のクラスメイトは全員集合するよう、先生から指示があった。

集まる場所はB君が昨夜発狂していた、「あの」部屋だった。

担任はすでにその部屋で生徒たちが来るのを待っていた。

A君達が入室すると、有無を言わさずいきなり正座をさせられた。

 

昨日の事を叱られるのではと内心ビクビクしてはいたが、どうやら違ったようだ。

生徒が部屋に入室した後、ぞろぞろと旅館の従業員さん達が入ってきた。

それに続いて、白装束を来た神主さんらしき人が3人入ってきた。

そして全員手を合わせて目を閉じるように指示し、お経を唱え始めた。

御祓いのような儀式は2時間ぐらい続いた。

その後、何事も無く修学旅行も終わったが、B君が修学旅行に復帰することはなかった・・・

 

 

 

修学旅行から帰ってきて日数が経過し、学校が始まってもB君は登校してこなかった。

担任の話では、別の学校に転校したとの事。

彼はあの日を境に精神に異常をきたし、精神病院に入院してしまったという噂も流れ始めた。

B君の家族も引っ越ししてしまい、彼の消息はまったく掴めない状態になってしまっていた。

その後、あの日のことを思い返してみるといくつか不思議なことがあった。

 

・だれが救急車を呼んだのか不明。(先生が生徒に聞いたが誰も呼んでないとのこと)

 

・救急車が来るのが異常に早かった。

 

・救急隊員の顔が何故か黒くて見えなかった。

 

・誰も救急車に連れ添っていかなかった。

 

あの晩、あの部屋で何があったのか。

なぜ人形と御札と本が天井裏にあったのか。

そもそもあの救急隊員は人間だったのか・・・

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