ある女性の父親は恵まれない境遇に育ち、
失意のまま、末期ガンで亡くなった。
生前は酒乱でよく暴力を振るう父親であったため、
彼女は父親のことが大嫌いだった。
そんな父親は亡くなる直前、
中卒という自身の学歴にコンプレックスを抱いていた彼は、
毎日のように自身の人生を嘆いていた。
父親が他界したことで、元々から貧しかった家庭はますます貧しくなり、
当時、中学生だった彼女は大学進学を諦め、高校を卒業すると就職した。
就職してから数年後、彼女は大学職員の男性と結婚した。
夫は『今からでも大学に行ってみれば?』と勧めてくれている。
「もう20代半ばも過ぎているしなぁ。」と迷っていた時、
夢に父親が現れた。
夢の内容はこうだ。
彼女が大学のパンフレットを父親に見せると、
『そりゃいい!是非受けてみろ!』
と言わんばかりの満面の笑顔で頷いていた。
この夢がきっかけで彼女は大学受験をすることにした。
結果は第一志望の大学に合格。
入学式の前夜には、父親が嬉しそうな顔で夢に現れた。
学生生活は驚くほどに順調であった。
『父親が見守ってくれているのかな』と語る。