モラハラ男から救った守護神 | ページ 2

モラハラ男から救った守護神

スポンサードリンク

それから数日後。

H子氏が友人のA子氏と歩いていると、

身なりのみすぼらしい占い師に呼び止められた。

占い師『ちょっと、そこの。お待ち!』

占い師『あんた、えらい人に守られてるねぇ。』

占い師『その人の言う通り、彼氏とは別れなさい。殴る蹴るって、最低じゃないの。』

H子氏『えっ・・・?』

A子氏『ちょっと失礼じゃないですか?この子の彼氏は私も知ってますが、とても・・・』

占い師『あんたはね転職はやめときなさい。なんだっけ髪長いその人、二週間後には辞めるから。』

占い師の言葉にA子氏は固まった。

この時、A子氏は髪の長い同僚といざこざがあり、

事実、転職を考えていたのだ。

占い師『二万二千七百五十ニ円あるでしょ。お代は千円札二枚でいいよ。』

占い師は手持ちの金額まで正確に言い当てた。

急に恐ろしくなり、言われた通り二千円札を手渡すと、

2人は逃げるがの如く、その場を足早に離れた。

A子氏『彼氏君・・・暴力振るうってほんとに?』

H子氏『私が悪いから・・・仕方ないよ・・・』

A子氏『どういうことで殴られたの?』

H子氏はA子氏に詳細を話すと、

彼女は怒りで顔面を真っ赤に染めた。

その後、A子氏の説得により洗脳状態が解かれた。

数日後、

A子氏の勧めでモラハラ男をファミレスに呼び出し、

別れ話をすることになった。

モラハラ男はH子氏の向かいに着席するや否や、

周囲に聞こえるか聞こえないかの静かな声で毒づき始めた。

モラハラ男は次第に感情が高ぶってきた様子で、

『外に出るか』と言うと、彼女の腕を強く掴んだ。

スポンサードリンク

H子氏『いっ、痛い!ちょっとやめて!』

モラハラ男『しっ!静かにしろ!』

真後ろの席で変装して待機していたA子氏含む友人4人が、

モラハラ男を制止した。

この友人4人というのはH子氏とモラハラ男の共通の友人であったため、

モラハラ男は表情を一変させて、愛想よく挨拶をした。

A子氏はすかさず、

A子氏『話聞いてたから、全部知ってるから・・・』

と言うと、モラハラ男は一瞬にして顔色を変えた。

というのも、このモラハラ男は普段、

相当な八方美人として振舞っており、

友人達はこの男の本性剥き出しの表情を見るのが、

この時初めてであったらしく、一同呆然としていた。

多勢に無勢と観念したのか、

その場をそそくさと立ち去ろうとするモラハラ男に、

A子氏『まだ話終わってないよ!ちゃんと別れるんだよね?』

モラハラ男『もういらねーから。』

友人B『サイテー・・・彼氏君ってこんな人だったの?』

モラハラ男『誰に何言ってもいいよ?みんな俺の味方だし。』

モラハラ男『お前らなんかの言うこと、誰も信じないって。』

この時、H子氏は一連のやり取りを、

ボイスレコーダーにて録音していたのである。

この音声を聞いたモラハラ男の友人達は、

半数以上が距離を置き始めた。

その後も、

立て続けにこのモラハラ男は事故や怪我に見舞われることとなり、

やがて噂の一つも聞かなくなったそうだ。

一段落した頃、例の老婆がまた夢に現れた。

「うんうん」と満足げに頷きながら、こう言った。

老婆『男でも女でもな、愛想ええのは気ぃつけ、笑顔の下は鬼がおるでのう』

翌朝目が覚めると、

あの日の占い師にお礼を伝えに行こうと、

出掛けることにした。

朝でも薄暗い路地裏を歩いていると、

あのみすぼらしい後姿が目に入った。

H子氏『あの~先日は・・・』

占い師『万事解決したみたいね。』

H子氏『やっぱり、お見通しですか。』

占い師『まあね。』

H子氏『それで、お聞きしたいんですけど・・・』

占い師『そのおばあさんはね、人間じゃないよ。』

占い師『まあ、強いて言うなれば「大地」かな。』

占い師『あんた、凄い人に守られて、でも浮かれるんじゃないよ。』

H子氏『はい。』